三国志 02: 群青の巻

前（ 一 ）巻にて、主要人物の 気立て がおおよそ表されいたが、（ 二 ）巻では、脇役とも言えぬくらいに三国志にっとて欠かせぬ英雄たちも少しずつ登場してきます。映画「 レッドクリフ 」で大活躍の 趙雲子龍 も 劉備玄徳 と初対面します。吉川英治 氏 の作品に共通するのですが、主役だけではなく脇役・端役がとっても魅力的で面白い、と言えるのではないでしょうか。劉備 曹操 ちょっと後から 孔明 中心に話は進んではいきますが、たくさんの登場人物のそれぞれキャラが立っていて、何回も読み返してもその度に新しい発見があり、青年期に読んだ印象と、中年、壮年となった時では、また違った観点で読むこともできて、本当の人生の伴侶的一冊と思えます。物語の中では、主人公・敵役 などと簡単に分類できたりもしますが、登場人物（ 人間 ）というのはそれぞれ心というものを持っています。その心に、読者が感心したり同期したりして、思い入れが増幅されたりすることもあり、しない時もあったり、痛快であったり、深刻に考えることになったり、感銘を受けたり、反省させられたり …、様々な影響を受けてしまいます。吉川英治 氏 の作品にはそのようなことがとても多いと感じられます。また、本流とは別のこまごまとしたエピソードについて、初めて知る内容もあったりでとても興味深く色々な刺激を受けることかと思います。私はそうでした。「 あぁー中国の歴史っていうのはすごいなぁ 」というのが率直な思いでした。三国志 全巻 読了後、史記 などに手をのばすきっかけにもなりました。三国志（ 一 ）レビューに述べました、新聞連載されていた当時の楽しさというものを疑似体験するならば、小見出し … 例えば「 絶纓（ ぜつえい ）の会 」の下に 一、二、三、四、五 と区切りがあります。この区切り一つが一日分と考慮しながら読んでいけば、当時はこういう余韻の残し方で結んでいたんだぁ …、と感じることもできると思います。話はまだまだ続きます、そして更に面白くなっていきます。